体幹ゼロ障害児とアウトドアを

アウトドア夫婦に生まれた肢体不自由児さ~やの冒険記

装具の役割と実例、全介助の肢体不自由児の場合。全身サポートの役割はまるで甲冑。

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地方に住んでいると福祉関係の情報が乏しく、自分たちで情報を取りに行かないと、その子に合った、もしくはその家庭合った情報が充分には供給されません。

 

装具」についても同様です。

 

病院やリハビリ施設で適宜教えてくれますが、こちらから調べて提案することも多々ありました。

 

使う使わないに関わらず、装具にはどんな役割があるのか、どんな種類があるのかを知っておくことで選択肢は広がります。

 

我が家のさ~やの事例を通して、まだ子供が小さく、今後障害が出るかもしれないが、どう発達していくか分からない、という方々への参考になればと思います。

 さ〜やの障害の程度は「はじめに」にありますので読んでみてください。

 

 

装具の役割

変形防止とサポート、でも大切なのは期待!

 

装具とは、身体が自由に動かせない場合や筋緊張が強い場合に、身体の変形を食い止めたり、動きをサポートしてくれたりする器具のことです。

 

もっと専門的な解説はこのサイトにありますが、上肢・体幹・下肢に分類されています。→装具とは | Ottobock JP

 

特に子供のころの骨は柔らかく、筋緊張や自重で変形しやすいそうです。

 

身体の変形が強くなったり、関節が固まってしまうと、健常者用にできているこの世界では、服を着るのも、車や交通機関に乗るのも難しくなり、生活しにくくなってしまいます。

 

ただ、肢体不自由『児』において大切なのは、どの程度発達してくれるか分からないので、諦めたりせず、期待をもって取り組んで欲しい、ということです。

 

『歩けるようになるかもしれないので、体重をしっかり支えられるように足の変形を防いでおこう。』『座る姿勢が取れないと移動手段も限られてくるので、体幹の発達をサポートしてあげよう。』など、将来にポジティブな希望をもって臨むのがいいと思います。

 

装具に限ったことではありませんが、願ったような発育をしてくれなかったとしても、取り組まなかった方がむしろ後悔するのではないでしょうか。

 

我が家のさ~やは仮死状態で生まれ脳性まひと診断されました。

 

現在8歳。おおむね発達の目ぼしがついてきました。

 

発達に関してはいろいろ挑戦しては砕け散っていますが、多少諦めこそすれ、後悔はしていません。

 

わずかではありますが期待を持つという習慣は今も身についています。

 

こと装具に関してはポジティブに取り組んだおかげで、たくさんの装具が全身を覆うの様になり、毎朝学校に行くときは戦(いくさ)に出かけるようです。

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若干抽象的な話になってしまいましたが、現在さ~やが身に着けている装具を紹介します。

 

装具①下肢装具

おそらく最初に出会う足の装具

 

最初に作るのを勧められたのがこの装具でした。

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作ったのは2歳半。

 

立てるようになったときに体重がちゃんと支えられるよう、主に足首周りの変形を防ぐ目的で作りました。

 

下肢装具には、膝下から足先までの短いものと、膝上から足先までの長いものがあり、材質も固定の強さを重視した金属製と軽量化を重視したプラスチック製などがあります。

 

将来的に自立や歩行ができるようになるか、もしくは変形防止が目的か、で作り分けるようです。

 

最初は金属製の下肢装具を作りましたが、あまりに重そうなのと、自分で立つことが望めなそうになったので、2号機からはプラスチック製の変形防止目的のものにしました。

 

かわいいワッペンを付けたり、色をオリジナルな配色にしてみたり、多少カスタマイズできます。

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装具②体幹装具

座位をサポート「プレーリーくん」

 

下肢装具の次に作ったのが体幹装具、コルセットです。

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作ったのは4歳。

 

それまで片方を向いて寝かせることが多かったので自重で肋骨と背骨がゆがんできました。

 

このゆがみを食い止め、また、座らせるときに『シャキ』っとなるよう作りました。

 

リハビリでもゆがみ解消に取り組みましたが、寝ている間に効果がリセットされてしまうようで背骨のゆがみが進行していたので、寝ている間もプレーリーを装着するようになりました。これでかなり食い止められています。

ちなみに、プレーリーという名前は『プレーリーファクトリー』と言う会社が作っているからです。

 

プレーリードッグみたいにシャキッと立てるように、でしょうか??わかりませんが。

 

装具③下肢、特に股関節装具

脱臼を抑える「グーくん」

 

股関節の脱臼を防ぐ装具です。

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作ったのは6歳。

 

ただ脱臼がひどく、外れるたびに痛がる場合は手術やより矯正力の強い装具を作るようなので、そこまでではない場合、の選択肢です。

 

筋緊張が強いと「はさみ足」といって両足がクロスして固まってしまうそうです。

 

そうなるとパンツやオムツの交換がしにくくなったり、座る姿勢も取りにくくなります。

足がクロスする形をじゃんけんの「チョキ」に見立て、これに勝つには「グー」と言うことでこのネーミングだそうです。

 

装着すると若干股が開き気味になるので、女の子にはちょっとどうかな、と思いましたが変形の方が致命的なのでパンツや長めのスカートをはくようにしています。

 

グーくんはプレーリーくんと同じ会社が作っているので、ホームページで実例を見ることができます。

www.prairie-factory.osaka

おもしろいのは、装具のカラーリングをシミュレーションできること。

 

HPの右上部『装具の色を簡単にコーディネート』でいろいろ試すことができ、パーツや素材を自分の好きな色に変えることができるのでオリジナリティーが出せます。

 

単純計算でプレーリーくん、グーくん、どちらも25,480通りの配色パターンが選べます。

 

装具ではないけど④下あご上げ装置

舌根沈下を解消し呼吸が楽に

 

脳性まひ児の中には筋肉を動かす指令がうまく伝わらないことで、下あごを閉じておけない子もいます。

 

口周りに力が入らないので、口が半開きの状態になり、舌根が落ちて気道が狭くなり、喘鳴、つまり、ぜ~ぜ~呼吸をする状態になることがあります。

 

さ~やもこれに該当し、日常的には軽度のぜ~ぜ~、不満があるときは強めのぜ~ぜ~でアピールします。

 

こんな時は人の手でそっと下あごを持ち上げ、楽な呼吸ができるようにしていました。

救急救命でいう気道確保、あごグイのイメージです。

 

最近このあごグイをサポートしてくれる装具、と言うよりはイスにつけるパーツが作られました。

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導入当初はずっとあごグイされているのが心地が悪かったようで、かなり不満のうなり声をあげていましたが、1週間ほどで慣れ、楽な呼吸ができるようになりました。

 

まとめ

装具については、地元の病院やリハビリ施設の先生が提案してはくれますが、

 

『この子の〇〇な所が気になる、何とかしたい!』

 

という想いは、やはり両親が一番強いので、先生方に頼らず自分たちで問題意識を持って取り組むのがいいと思います。

 

福祉機器の展示会やインターネット、都市病院での情報交換で知ることがたくさんありました。

 

私たちは大阪の森ノ宮病院(小児リハ部門は現在ボバース記念病院に移転)にリハビリで母子入園したときに、これら装具の情報や生活スタイルの指導を受けました。

 

地域によっては装具の注文を請け負ってくれる代理店がないかもしれませんが、まずは情報を収集して、病院やリハビリ施設の理学療法士の先生に相談してみてください。

 

成長に応じて身体の変形を見て、その子に合った装具を作ってあげるのが大切だと思います。

 

www.sa-yato.com