体幹ゼロ障害児とアウトドアを

アウトドア夫婦に生まれた肢体不自由児さ~やの冒険記

首里城のバリアフリーコースを歩く。火災焼失前の記録、そして未来へ。

 

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 2019年10月31日、首里城正殿が火災で焼失しました。

 

これにより首里城公園内には「未開園区域」が設けられ、メインの観光スポットである広場、「御庭(うなー)」一帯に立ち入ることができなくなりました。

 

主要な建物が消失したため、現在公式HPではそれらを除く『復興モデルコース』がメインで紹介されています。ただし、階段を使うことが多いルートです。

 

一方、以前から『基本コース』と『バリアフリーコース』の2つが設定されており、それぞれのコースは訪れる人の状況に合ったオススメで効率的なルートだと思います。

 

今後、復興が進むにつれ公開エリアは順次拡大していくことでしょう。

 

正殿など建物もやがて、必ず!再建されると思いますので、その時のために、火災前に回った『バリアフリーコース』を紹介し、未来につなげたいと思います。

 

未開園区域の最新情報は公式HPへ↓

首里城 ‐ 琉球王国の栄華を物語る 世界遺産 首里城

 

 

バリアフリーコースを歩いてみて

高低差あり!広い園内!体力温存!随所で休憩!

コース概要よりも先に伝えたいのは、首里城公園には高低差があるということです。

 

つまり、健常者向けの『基本コース』はその高低差を階段で解消しますが、『バリアフリーコス』は距離で解消しなければいけません。つまり、しっかり歩くということです!

 

加えて、敷地面積が約12haと広いので、たとえ『基本コース』を使う健常者であっても施設間の移動、施設内の移動、と普通に見て回るだけでも身体も眼も頭も疲れてきます。

そこに介助者としての役割が加わると、なお体力・注意力・思考力が低下してきます。

 

よって観光のポイントは、ゆっくりとしたスケジュールを作っておき、屋内や日陰で適宜休憩を取ることが『いい思い出』を作る第一歩だと思います。

ただ歩き疲れに行くのは障害者にとっても介助者にとっても得策ではありません!

 

我が家はバギーにさ~やを乗せ観光しました。

水分、休憩、しっかりとったつもりでしたが、ナカナカに疲れました…

 

コースを順を追って詳しく

絢爛豪華な異文化体験!ただ、絶景スポットには…

バリアフリーコースは下の図のようになっています。 

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首里城公園HPより

まずは隣接の県営駐車場(①・⑭の地下)からスタート!

 

県営駐車場は普通車の収容台数が最小50~最大116台と流動的で、観光地の規模からすると少ないですが、障害者スペースは比較的多く確保されている印象です。

 

ここの駐車場の良い点は屋内なので、直射日光など天候を気にせずゆっくり準備できます。

 

駐車料金は小型320円/回ですが、障害者手帳の提示で無料になります。また周辺には民間駐車場もあります。

 

まずはなだらかな坂を上り守礼門②へ。

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守礼門

守礼門、2000円札以来のご対面。 改めて実物を近くで見ると、朱色の門柱と灰色の琉球瓦、金色の「守禮之邦」という文字の色彩が鮮やかで、青空の下とても映えていました。

 

さて、『バリアフリーコース』のスタートは守礼門を過ぎて直ぐ右手、『基本コース』の出口を逆走する感じで入ります。

 

進んでいくと、正殿方面に向かう道が2つに分かれ、1つは『基本コース』の帰りとなる坂道、もう1つは『バリアフリーコース』の往復となる緩やかな坂道スロープとなります(③→④の間)。 『基本コース』の道は部分的に急なので、車いすやバギーに限らず、お年寄りなど歩くのがつらい方は上りも下りも『バリアフリーコース』を歩いた方が楽でしょう。

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『バリアフリーコース』の方は緑の中を何度か折り返しながら進みます。

 

木々によって直射日光が避けられますし、森を歩いている雰囲気もいいです。

 

こちらの道、車いすやバギーを押す人にとっては問題ありませんが、車いすを自走される方にとっては緩やかではあるものの、ずっと上り/ずっと下りが続くので制動に疲れてくると怖いかもしれません。

 

木曳門④を経て、チケット売り場となる広福門⑥に着くと、随所に車いすマークとスロープが見えてきます。分かりやすいです。

スタッフの方も親切に声をかけてくれ、誘導してくれました。 

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左 木曳門  右 広福門の広場

チケットを購入すると、やはり、まずは正殿方面へ!

 

スロープを上り、奉神門⑦を抜けると、

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奉神門

そこは御庭⑧

足元は朱色と白の縞模様、周りは大きな朱色の建物に囲まれる

『ザ・異文化!』

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御庭

そして、圧倒的な存在感の正殿が目を惹きました。

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正殿

 正殿、改めて写真を眺めて見ても、鮮やかな色彩と威圧感のある造り、ち密な石材加工が威厳を感じさせます。

 

世界遺産は基礎部分だけとはいいますが、やはりこの建築物は沖縄の大切なシンボルなんだと思います。

 

正殿内部や南殿⑨では 琉球文化の資料や王冠などの装飾品が展示されていていました。

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琉球王国時代のジオラマ

中でも一番豪華だったのは、玉座

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玉座

装飾もさることながら、正殿二階中央に配置された玉座からは御庭、奉神門が見え、統治者の視点が体験できました。

 

北殿⑬には平成に完了した正殿の復元資料があるようでしたが、スロープが無く内部には入れませんでした。

 

ここまで一気に見て回ったので、世誇殿⑫に入り休憩しました。

 

エアコンがきいていること、椅子があること、自販機があることがメリットですが、琉球舞踊が定期で上演されていることも興味深かったです。

 

ひととおり『バリアフリーコース』を見て回りましたが、最後に東(あがり)のアザナと呼ばれる物御台、現代の展望所へ!

 

と思いきや、バギー・車いすはここまで。東のアザナへは階段でしか行けません

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東のアザナに向かう階段

ただ、標高140mと公園内で一番高いというだけあって、眺めが最高のスポット

 

正殿など赤い瓦の建物群とその奥に見える海、反対には街並みが見渡せました。

 

さ~やに見せられないのは本当に残念!せめて360度写真を撮ってみました。

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東のアザナより

天気も景色もいいと山でも街でも気持ちが和らぎます。深呼吸。

 

帰りは来た道の随所で休憩しながら、ゆっくり戻りました。

 

※2020年1月時点で公園に問い合わせたところ、バリアフリーコースとしては、守礼門を通り、木曳門から広福門手前を経て京の内周辺までの往復をお勧めしている、とのことでした。

 

首里城の火災で思ったこと

 

家族旅行で首里城を訪れたのが2019年10月6日。

まだ鮮明に思い出せる数週間の内に正殿は無くなってしまいました。

 

ニュースを見たとき、家族全員大変なショックを受けました。

 

首里城を訪れた時、確かに豪華絢爛な城と異文化を体感できましたが、本州の人間にとって身近な建築物でもなく、大陸文化との歴史に深く感化されたわけでもなかったのになぜだろうか?と思いました。

 

自分の中を深堀してみると、それはおそらく、沖縄旅行という楽しい家族の思い出の一部が無くなってしまったような感覚を持ったからだと思いました。

 

その『楽しい記憶』の中には、首里城自体の美しさだけでなく、首里城スタッフの方々が介助が必要な我々にしてくれた気配りや親切も含まれています。

 

そんな方々の喪失感を想像することは容易ではありません。

 

正殿を含め首里城は必ず再建されるでしょう。

 

ただ建物が、というだけでなく、喪失感を持った人たちが精神的にも落ち着き、希望が持てるような形で再建が醸成されることを望んでいます。

www.sa-yato.com

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